受動態 or 能動態 ②
反響が良かったのでもうちょっと書いてみました。
今回は受動態と能動態のメリットを考えてみようと思います。
受動態のメリット
英訳がしやすい
会社によっては書いたテストケースを翻訳することもあるのではないでしょうか? 主語をはっきり書く英語では受動態はそのまま訳せることが多いです。
チャートが表示されること => A chart is shown.
一方、能動態では主語を補完し、下記のようになります。
チャートを表示すること => System shows a chart.
これだとSystem、System、SystemとSystemが連呼されてしまいますね。
ただし英訳については論文の最近のトレンドは能動態みたいです。ここらへんの記事も面白かったので時間ある方は是非どうぞ。
2014年の記事なので少し古いですが。
https://www.editage.jp/insights/using-the-active-and-passive-voice-in-research-writing
能動態のメリット
文がシンプルになる
能動態のメリットといえばこれですよね。
~されると書くよりも、~すると書いたほうがシンプルでスッキリします。
自分たちが作ってるぞ!感がでる。
当たり前ですが、受動態より能動態の方が自分事のイメージが強くでます。
「チャートが表示されること」より「チャートを表示する」と書いた方が自分たちのシステムがチャートをコントロールしている感がありますよね。
最初にも書いた通り自分はどちらでもいい派なのですが、自分やチームの中で指針などがあると書きやすい&見やすいと思います。
受動態 or 能動態 ①
ソフトウェアテストの小ネタということで渾身の小ネタを書こうと思います。
ソフトウェアの小ネタアドベントカレンダーの10日目です。
ソフトウェアテストの小ネタ Advent Calendar 2019 - Qiita
スクリプトテストの書き方の小ネタ
自分がスクリプトテストを書くときに意識していることをお伝えします。
さて、みなさんは”[チャート]ボタンをクリック後、チャートが表示される”というテストケースを書くときにどうやって書きますか?
◆操作
[チャート]ボタンをクリックする
◆期待結果
チャートが表示されること・・・①
or
チャートを表示すること・・・②
期待結果は受動態①か能動態②です。
あっ どっちでもいいんじゃないかという声が聞こえてきます。
そうです!!正直どっちでもいいんです。統一されていれば。
違いの原因
どうして起こるかというと主語の違いです。主語を【】でくくってみます。
①【チャート】が表示される
②(【システム】が)チャートを表示すること
②のほうは隠れた主語があることがわかりますね。このことから文体の違いは主語の違いということが判ります。 そうすると主語を意識して合わせていくことで、文体をそろえることができそうですね。
まとめ
- 主語を意識して書くと文体の統一感が出る。
実は機能仕様書も同じ問題が発生することがあるので、自社の仕様書の文体がそろっているか確認してみてください。
ザッソウ本のABD&倉貫さんの基調講演。
10月の豪華なアジャイル札幌イベント第2弾。
ザッソウ本のABDそして倉貫さんの基調講演。
最近アジャイル札幌で取り入れている読書会スタイル。それがABD!
参加者が数ページを担当し、それぞれが担当のまとめを発表するという流れで実施します。
題材は倉貫さんの新刊「ザッソウ本」です。レビューアとして参加させてもらった思い入れの深い本なのでとても楽しみにしていました。
今回は前日のカンバンゲームに引き続き、メンバーズエッジさんのオシャレな会場をお貸しいただきました。ありがとうございます!
ザッソウ本のABD
アジャイル札幌もABDの回数を重ね、少しずつですが改善をしていています。今回は一人当たりの担当の本の量を少し減らしています。全部を読むのではなく理解することを第一目的にしました。今回はABD自体が初めての人が多かったですが、理解のペースが良い感じで進んだと思います。
まとめの時間が終わったころには、参加者がとても柔らかい雰囲気になっていて、ザッソウ本の内容、そこからの普段の仕事のこと、困っていること、美味しいお店の話(?)など、雑談の時間を多めに取ることができました。早速、ザッソウ本を実践できたと思います。
倉貫さんの基調講演
四国から飛んできてくれた倉貫さんの基調講演。 ソニックガーデン以前の話から納品のない受託開発、リモートの話、管理のない話、そしてザッソウの話とシームレスなイメージが伝わってきました。 倉貫さんから直接アジャイルの話聞けるって最高じゃないですか。
今回の本に書かれているザッソウは2つの意味があるとのことでした。2つ目の『雑に相談』の方が今の自分には効果が高そうです。
- ザッソウ=雑談+相談
- ザッソウ=雑に相談
今回の学び
アジャイル開発をコミュニケーションに適用したのがザッソウ
アジャイル開発をコミュニケーションに適応したのが、ザッソウです。#agilesapporo
— ネモトノリユキ (@nemorine) October 26, 2019
これは衝撃的で、言われるとそうなんだけど気づかなかったなぁ。 倉貫さんのBlogの「雑なやりとりが圧倒的な生産性を生み出している」が参考になります。 kuranuki.sonicgarden.jp
雑でもよい
雑でもそれを打ち消すくらいのスピードがあればよいという話をしてくれました。キーワードは雑でも高速なキャッチボールです。 雑に相談したいです。
常に裏技(ショートカット)を考えている
2次会でもとても熱い話を聞けました。これが醍醐味ですよね。
倉貫さんはソニックガーデンの前の会社では昇進も一つのゲームと見立てて、常に裏技を考えていたと話していました。常に考えている、そして行動している、ということが印象深かったです。
ソニックガーデンの取り組みも外部から見ると突拍子もないと思われることが多いと思いますが、常に考えて仮説検証を高速に回した結果、大きな成果になっている例だと思いました。
倉貫さん、前作に引き続きABDに来ていただきありがとうございました! ちょっとずつでも現場でザッソウの種を蒔いていきます。
カンバンゲーム
10月のアジャイル札幌のイベントは豪華な2本立てですw
10/25にやっとむさんが来札してくれて、カンバンゲームを実施しました。
やったこと
サイコロを使いながらタスクを消化していくというゲームです。
- 最初は"ToDo"、"Doing"、"Done" のシンプルなスタイルのカンバン。
- 慣れてきたら、"Doing"を"設計"、"開発"、"テスト"に分けたカンバン。
サイコロだけだと運の世界ですが、実際の現場であるようなハプニングやラッキーなことが書かれたチャンスカードがあり、これがまた盛り上がるんですよね。
カンバンゲームのSlideShareはこちら。
https://www.slideshare.net/yattom/ss-37785081
カンバンゲームでの学び
一つひとつ仕事を終わらせることが大事
これは人のリソースではなく、フローに着目しているという説明でした。マルチタスクにしないコツはそもそも始めないことだということもWIP制限の話を聞きながら考えていました。
チームメンバーのスキル、得意分野の把握すると問題に対処しやすい
カンバンゲームではチャンスカードの一つであるソリューションカードという種類のカードを持つことができ、問題が起きたときにチームの誰かのソリューションカードで対処していきます。 このとき、チーム全員で考えて解決策を導きだしました。自分の得意分野・不得意分野は把握していると思いますが、他のチームメンバーのスキル・ソフトスキルも把握しておくと現場の問題にも対処しやすいと感じました。 自分から頼むと断れれるけど、Aさんから頼むとなぜかやってくれる、なんてのも知っておくといいのかもしれませんね。
ゲームとリアルのつながり
自分達のチームはテスト工程のときに「仕様が分からない」というプロブレムが出て、リアルだなぁと感じました。またそこから実際の現場だとどうしたらいいんだろうみたいな話に繋がりました。他のメンバーがどう考えているかやどうアプローチしていけばベストなんだろうとワイワイと盛り上がりました。 やっとむさんのセッションにもふりかえりの時間が取られていますが、ゲーム自体にも現場とつながりを持たせるような仕組みが入っていて、それがとても素敵だなぁと思います。
やっとむさん、今月もありがとうございました! 会場を提供してくれたメンバーズエッジさんありがとうございます!オシャレな環境で最高です。
TDDBC2019札幌開催!
TDDBC2019札幌が終わりました。 最近アジャイル札幌のイベントは神回が続いている気がしているんだけど、今回も凄かった。。。
内容はしょーださんのブログにお任せして、自分は裏話など。
@t_wadaさんのスタンド(ワイルド・サバンナ)のスタンドについて
TDDBCをやろうと思ったときに思いついてしまった「スタンドのスタンド」というパワーワード。どうしてもやりたかったのでしょーださんに運営のメインをお願いしてスタンドのスタンド作成を実施することにしました。 ボード自体は素材の透明度、質感、剛性などがピッタリのポリカーボネートというものを使います。
苦労したところは立てるところ。 立たないスタンドはスタンドではない!! でもなかなか立たないんです。。。 結局垂直ではなく80°の角度を付けることで安定しました。皆さんも作るときは80°で角度つけるとスタンドのスタンドを作ることができると思いますのでやってみてください。
ということで、@t_wadaさんの「なん、、、だと、、、」投稿が1000いいねを超えることができて満足ですw
なん……だと……!?#tddbc #agilesapporo pic.twitter.com/H9o6BrKjBD
— Takuto Wada (@t_wada) 2019年6月15日
TDDの意味の変化について
@t_wadaさんの講演で開発者目線と品質保証目線でのテストコードの違いについてお話ししてくれました。
自分が5年以上前に@t_wadaさんに質問したときはTDDは開発者のものであり、品質保証とは関係ないという回答をもらいました。たぶん品質保証って言っちゃうと品質保証おじさんが湧いてくるからでしょうね。。。
でも、今回はこのテストは開発者としてはいいけど、品質保証としては足りないというように目線の違いによる話をキチンとしてくれています。開発者としては品質保証の話が分かるし、品質保証の人(テストエンジニア)にはこれくらいのテストで開発ができるんだというのが分かります。お互いの立場の違いを認めるのことが重要だと思います。
ここをキチンと考えれると、テストコードを2度おいしい状態で使うことができるということですね。
井上さんのマサカリ
札幌の参加者も慄いてた仙台の井上さんのコードレビューについてどういうところをポイントに見ているのか聞きました。
お題の作者でもあるので自分だったらこういう風に書くということがあって、それと違うことがあるところを深く掘っていく感じとのことでした。
本当は光って見えるんでしょ?って問い詰めたんですがそんなことはないと言われました。(ほんとかなw)
でもあのレビューは本当に凄くて、色々なことを濃密に考えているのを垣間見れます。
大好きな仙台の友人を札幌の皆さんに紹介できて良かったです。
感謝
@t_wadaさんはもちろんのこと、仙台の井上さんや運営のメンバー、そして熱い参加者によって今回も素晴らしいイベントになりました。本当に感謝です。
普段のイベントに比べてキャンセルの人が多かったのが少し気になったことです。もし不安だなぁということでキャンセルした方がいれば、次回はちょっと勇気を出して会場まで来てもらいたいと思っています。会場についてもらえば、スタッフが最大限のサポートをします。
のっぴきならない用事で来れなかった人は、今回のTogetter を読んで、そして次回は必ず参加してくださいね!
JaSST'19東北で同値分割のワークしてきました
今年で7回目となったJaSST東北に実行委員として参加しました。 2013年に立ち上げてから早7年。立ち上げたときはバタバタ過ぎて、ここまで来れるとは想定していなかったけど大分遠くへ来たなぁと改めて思いました。
ソフトウェアテストの練習帳
今年はなんと本を作っちゃいました! 実行委員メンバーで半年以上かけて作り上げた約250ページのソフトウェアテストの練習帳です。 いやー 本当に凄い仲間だと思いますが、若干オカシイ気がします(褒めてる)。そしてみんなで作った本が手に取れるってとっても嬉しいことということに気づきました。
同値分割法・境界値分析のワーク
本会では同値分割のワークを担当しました。「基本にして究極」と呼び名が高い同値分割法について自分なりに伝えたいことをたくさん盛り込みました。自分が気になっていたことの一つに『同値分割と境界値分析が一緒に使われ過ぎ問題』というのがありました。
そのため、そこを解消する離散系の同値分割のワークを厚めにいれました。解説はもう少し丁寧に実施した方が良かったかなというのがちょっと反省点です。
おやつを分ける
そうはいっても色々考えて作成した問題より、アイスブレイク的なノリで入れた「おやつの同値分割」がとっても盛り上がりました。 こんなの↓
参加者の皆さんは色、形、味、転がるかなど様々な観点で同値分割をしてくれました。もちろん唯一の正解はないです。あるのは自分がどういう風に考えたか、そしてそれに沿ってどうグループ分けをしたかということですね。基調講演をしてくれたコヤマンの「唯一の正しい答えなんてないんだ。自分の頭で考えて、そして決めなさい」というメッセージとリンクした感じがしました。
練習帳のこれから
いまのところ練習帳はJaSST東北に参加してくれた人しか持っていませんが、この後どう取り扱っていくかを実行委員で考える予定です。 既に会社で使いたいと言ってくれてた人が居たりと、需要ありそうなのでしっかりと考えていきたいと思います。 毎年練習帳を使った新人教育を頼んでくれる企業とかいると嬉しいなーと妄想しています。
そんじゃーね!
紙粘土スクラムの半日ワークショップ
アジャイル読書会繋がりの内藤さんから相談を受けて、アジャイル札幌が誇る紙粘土スクラムの半日ワークショップを実施しました。 参加者は内藤さんのチームメンバー6名と講師側としてしょーださんとnemorineです。 今回も様々なドラマがありましたw
ワークショップの変更点
4月から同じチームでアジャイル開発をするということを前提にワークショップをデザインしました。運営として今回変更したところは以下です。
- POのロールとやることを変える
- 動物園のビジョンを最初から提示する
お題
今回作ってもらった動物園は『親子で楽しめる動物園』です。 最初はメンバーが遠慮気味なためチームとしてバラバラな感じがしましたが、スプリントを回すごとに少しずつカイゼンしていき、チームとしてまとまっていくのを感じました。
スプリント
スプリントの簡単なイメージはこんな感じです。
【スプリント1】 プロダクトバックログの受け入り基準(完了基準)が曖昧なため、分担などが上手くいかない。POもスクラムマスターも上手く動けていない。 動物は完成するが、2頭作ったポニーのサイズが全然違うという問題発生。黒王号と言いたいとこだったが、大きい方は白かった。ペンギンは可愛くできていた。
【スプリント2】 POが実装中に顧客とやりとりしながら上手く動くことで受け入り基準(完了基準)を明確にできた。外から観察していると粘土で動物を作っている人が2人しかいない。迫力のあるシロクマ(ちょっとコアラ似)ができた。
【スプリント3】 チームに発生したアクシデントもギリギリ乗り越えた。スクラムマスターが全体を見れるようになり、チームの動きが改善されてきた。象の色はグレーと言っていたのに白で作ってしまい、顧客からはグレーでお願いしますとの依頼を受けた。おしいw。疲れが見える。。
【スプリント4】 チームとして見積もりは明確にやっていないが、頭の中ではイメージできている。作業分担もある程度終わって、実装中もお互いに声をかけながらイメージの共有や情報を補完しあっている。スクラムマスターは象を完璧に仕上げつつ、要所で指摘を入れる。他も分担しながらライオン、モルモットを作っていった。
スプリント4で作った動物達の品質、スピードともに最高でした。メンバーがロールを意識して動くことでこんなにチームとしてのアウトカムが変わるっていうのをチームのメンバーも自分達も体験した瞬間だったと思います。
ふりかえり
最後はFun/Done/Learnでふりかえりをして終わり。
『いままでは要件を決めた後はあまり手をかけなかったけど、スクラムでは沢山関わっていかないといけないことが分かった』とPO役の方が言ってくれて、グッときました。良かった!!
かなり時間オーバーして参加者は疲労困憊だったけど、しょーださんと自分で伝えたいことは伝えれたと思います。
チームとしてのスタートダッシュに少しでも貢献できればうれしいですね。
もちろん運営側もめちゃくちゃ勉強になりました。
自分としての反省はチョコを忘れたことです。次回はロイズを用意します ><
紙粘土スクラムをご希望の企業様は以下のページからお問い合わせください。
アジャイル札幌 | Doorkeeper