JaSST'20北海道参加報告
ソフトウェア系のイベントが立て続けで嬉しい悲鳴。
今回はJaSST'20北海道です。準備ではあまり貢献できなかったけど、当日頑張りました!主に最初のマイクチェックw
まとめは以下からどうぞ。
基調講演 「なぜ大規模SIerで探索的テストを推進しているのか? ~NTTデータが目指すソフトウェアテストの世界~」
熊川 一平(NTTデータ)
探索的テストマニアとしては聞き逃せない基調講演。エビデンスが求められる熊川さんの会社の特性とメリットが多い探索的テストの特性を上手くつなげていく取り組みや考え方の紹介でした。
探索的テストとアドホックのテストの違い
熊川さんは探索的テストを特徴づけているのは下記の2点だと考えているとのことです。
- 探索的テストは思考するプロセスがある。
- 探索的テストはふるまいを観察するプロセスがある。
@探索的テスト研究会
探索的テストの効果
時間あたりのバグ摘出件数でいうと、探索的テストはスクリプトテストの10倍とのことです。こうかはばつぐんだ!
熊川さんが8プロジェクトを確認して出していた定量的なデータは探索的テストの導入資料などに有用だと思います。スライドが出たら貼りたいと思います。
Sonar Testing 用のツール
探索的テストではエビデンスが残らないのが一つのネックとなっていますが、熊川さんはツールを使うことで解消していました。
Web画面の操作は裏で記録され、シーケンス図や画面の状態遷移モデルとして確認することができるようでした。このツールはいまOSS化を進めているということだったのでとても期待しています♪
アツい想い
熊川さんの使命は"技術者がもっとパワーを発揮して、楽しく仕事ができるようにする"ということ。 アツい想いが溢れる発表で、SI業界を変えていくぞという本気度をガンガン感じました。一緒に飲みたかったなぁ。。。
招待講演「美味しくいただく為のハンティング」
玉木 康雄(玉翠園)
玉木さんは玉翠園というお茶屋さんをやっていますが、祖父から水を守らないといけないと言われてハンターもやっているそうです。
忍び猟
忍び猟とは気配を消して探索し、獲物に気が付かれないように狙撃ポイントにつき、「一撃」で仕留める猟法です。
シカの急所である前足の付け根、または頭を打ち抜くことで、シカを苦しまずに仕留めることができます。苦しまずに仕留めたシカの肉はおいしいとのことです。また苦しんで死んでしまったシカの肉はおいしくなくなってしまい、その状態は「肉が煮えた」と呼ぶそうです。
自然への敬意
ただの肉の塊と思ったことは一度もない。
— ネモトノリユキ@ソフトウェアテスト技法練習帳 発売中!! (@nemorine) 2020年7月3日
#jassthokkaido
プレゼンの最初から最後まで自然や生き物を尊敬する気持ちが見えました。
ハンターのふりかえり
終わった後のふりかえりは楽しいとのこと。時間は30分~40分。ある状況での様々なパターンを考えるが、決して考えすぎない。失敗は武器を磨くための砥石という金言が心に残りました!
JaSST北海道の当日の朝に書いた"ワールドトリガーに学ぶ「ふりかえり」"と話しが本当によく似ていてデジャヴを感じました。
ワールドトリガーに学ぶ「ふりかえり」 - nemorineのブログ
まとめ
以前の地震、停電での延期に続き、今年はコロナ対応でオンラインになりました。
短期間でオンラインに変更したことはかなり大変なことですが、リハーサルも重ねたり、休み時間を多めにとってリスクに備えたりとできる限りのことはやっていました。準備にはあまり参加できなかったのですが、素直にすごいと思います。
当日は熊川さんの講演を聞くことで自分の考えもだいぶん纏まりました。少しずつブログでアウトプットできればいいと思っています。
基調講演から事例発表、招待講演までつながりがあって一参加者としてもとても勉強になりました。
あと、、、銃を触らせてもらえるなんてドキドキしました。
打ち上げ
実行委員の打ち上げは「とちのもん」というお店。 シカ肉とラム肉とヤングコーンがめちゃ旨かったです。
スクラムフェス大阪参加報告③
午後はアジャイル札幌のメンバーによる北海道セッション。
マインスクラム ダンジョンズ - グループからチームへと変化するための戦い
ちもさんによるセッション。キャパを超えた仕事を抱え、ただ集まっているだけに見えたメンバーがチームへと変化していく過程を紹介してくれました。 一つひとつやることを決めて確実に実施していく、巻き込んでいくスタイルはもはや”ちもスタイル”と呼んでもいいレベル。
私の仕事やあなたの仕事から、"私たち"の仕事にした。#scrumosaka.sapporo
— ネモトノリユキ@ソフトウェアテスト技法練習帳 発売中!! (@nemorine) 2020年6月27日
上手いと思ったところ。
- 一つのタスクをペアでやるようにした ⇒ 他の人の仕事を知る
- 外部の問い合わせをちもさんが受けるようにした(託児所パターンに近い) ⇒ 時間に余裕を作る
- 偏愛マップを使う ⇒ 他のメンバーをさらに深く知る
そしてなんとこのセッションの前日には、ブレイクスルーとなるようなミーティングが行われたとのことでした。 これは続編も楽しみすぎますね。
オンラインアイスブレイク小ネタ集
アジャイル札幌一優しい男?であるかみとさんによるセッション。
最初の小ネタがすごいアイスブレイクでしたw
カミトクサリ家は2人とも技術者なので、技術的夫妻というパワーワードを思いついた。#scrumosaka.sapporo
— ネモトノリユキ@ソフトウェアテスト技法練習帳 発売中!! (@nemorine) 2020年6月27日
色々な人からアイスブレイクを集めて”ゲーム系"、"自己開示系"、"お笑い系"にカテゴリ分けしました。
お手軽度、お気楽度、時間などが書いてあるのでチームでトライしてみてください。
あっ もし面白いネタがあれば追加もお待ちしてますとのことです。
オンラインのホワイトボードツールのMiroを使ってみろ! ~オンラインでのスクラムチーム、スクラムマスターのふるまいを考える~
楽天札幌の横山さんとnemorineのセッション。 横山さんのmiroの知識が深くて、一緒にセッションを実施してる自分が勉強になりました。。。 ショートカットやチュートリアルのやり方を知ると効率的に学習できそうですね。 やっぱり動かしながらって最高ですね!!
後半はmiroを使いながら、何点か悩みを話していきました。
紙粘土スクラムオンライン(KSO)~2スプリント1本勝負~
最後は顧客役に定評がある庄田さんとnemorineのセッション。
いつもは半日で実施する紙粘土スクラムを45分で実施しました。(できませんでしたw)
普段は紙粘土で実施するワークを今回はオンラインホワイトボードのmiroを使い、オンライン上で動物園を実現していきました。
時間はかなりタイトだったのですが、チームメンバー同士が対話をしながら動物園を作っていました。
庄田さんとかみとさんがそれぞれのチームのPO役として入ってもらったため楽しく学ぶことができたようです。
次回はフルバージョンでもっとスクラムについて、ロールについてさらに深く考えたいと思います。
参加してくれた方々、どうもありがとうございました!
今回の可愛いキリンを紹介します♪
ワールドトリガーに学ぶ「ふりかえり」
ワールドトリガー1ではチーム同士が戦いランクを競う模擬戦という仕組みがあります。オペレーターが試合を実況し、経験豊富な隊員が解説していきます。また試合が終わった後にはビデオを見ながらふりかえりを実施します。
今回はそのふりかえりがめちゃくちゃ素晴らしいのでいくつか素晴らしいと思う点を紹介をしたいと思います。
事実ベースをもとにふりかえる
試合後すぐにビデオを見て、実際の行動を把握していきます。またそのときの状況における複数の選択肢やその判断が適切だったかを確認します。またリアルタイムで見ていたときには気付かなかったターニングポイントなどもチェックします。
ソフトウェアの開発の場合も一回事実を整理した方が良いふりかえりができます。特にスプリント期間が長い場合はスプリント初期に何があったかを忘れてしまっていることが多いです。KPTやYWTの場合も最初に事実整理をする時間を作ると良いふりかえりになると思います。
時系列にそって事実整理したり、感情を表したりするタイムライン2というふりかえり手法もあるので参考にしてみてください。
ファシリテーターの質問力
実況はオペレータが務めますが、このオペレータのファシリテーションが超優秀なのです。解説者は経験が豊富なので、その経験を引き出すような巧みな質問をします。例えばC級のみんなが考えそうなことを敢えてA級隊員にぶつけることで、上位ランカーがどういう風に考えているかを引き出していきます。
開発のふりかえりでも同じように有識者と上手く対話をすることで、有識者の考えや判断の根拠となった過去の経験などを引き出すことができます。それをチームとして共有できるとより一層チーム力が上がっていきます。
新しい技術の紹介
各チーム、各隊員は新しい戦いのスタイルや新技を使います。ふりかえりではこれらを理論立てて推測することがあります。もちろん不公平にならないようにシーズン終盤などに種明かしをするようです。
シーズン終盤だとしても技の種明かしは一見各チームの強みを取り上げてしまうように見えます。しかし、その技の対策を考えたり、その技をヒントにした新技が出てくることで他のチームがどんどん成長していきます。ボーダーの真の目的はネイバーとの戦いのために様々なチームの成長が欠かせません。
ソフトウェア開発でも個々が技術を抱えるのではなく、チーム、組織で情報をオープンにしていくことでさらなる成長が見込めます。
参考
ちなみにこれらの実況・解説の仕組みを作ったのは武富桜子(15)。有能すぎる。。。
ワールドトリガーというマンガを知らない人には意味が分からないと思いますが、これを機会に読んでもらえると嬉しいです。
スクラムフェス大阪参加報告②
午前中は北米セッション。
アジャイルでWFHをパワーアップ by ミグズさん
ターゲット社のアジャイルコーチであるミグズさんのプレゼン。
何はさておき全編日本語ってマジですごくないですか??
もともとOpen Office Formatの人気が高まっていたが、Covid-19 によって働き方を変える必要があったとのことです。
ミグズさんのチームはアジャイル的な方法、すなわち実験を繰り返して、問題を少しずつ解決していきます。
またワーキングアグリーメントについて約束をしたとのことです。例えばコアタイムを決めたり、アイスブレイクの時間を会議の最初に必ずとるようにしたり。同僚との絆を深めるために、バーチャル飲み会を実施したりもしたとのことでアメリカでも同じなんだなぁと感心しました。
ミグズさんのプレゼン資料はもともと完成度が高かったけど、自分の方で事前に日本語をチェックしました。 発表聞いててちょっと涙がでました。
裏話ですが、ミグズさんに”美狗頭”という漢字をプレゼントしましたw
世界規模のサーバレスプラットフォームの中の人が語る勝っているところと真似したほうが良さげなところ by 牛尾さん
アメリカに仕事の秘密を盗み?にいった牛尾さんのセッション。
芸人と見まごうくらいの面白さと熱量にグイグイ引き込まれました。。。
自分がグッと来たところは
- 上司がガチで技術分かる。
- 新人でも一人前の人として接することですごいアウトカムを出せる。
- 他人と違う意見を言うときも、「自分の意見は… 」という。もちろん人格否定をしない。
- 気軽に質問して、気軽に断る。
- ネガティブフィードバックを使ってポジティブに回す。
気軽に質問して、気軽に断るは倉貫さんのザッソウに通じるものを感じました。
また日本企業とアメリカ企業の違いはトップまで技術が分かるかどうかというのが肚落ちしました。技術についての説明や説得をする必要がないってめちゃくちゃアドバンテージですよね!!
「自分の意見は…」の部分は本当に分かりみが深いです。個人に対するリスペクトがあるんですね。
牛尾さんのブログの最終回にはそのことが書いてましたので貼っておきます。ペタッ。
simplearchitect.hatenablog.com
コミュニティの足取りとCOVID-19が及ぼす変化 by 由紀さん
SAFeをやっている由紀さんの話。
今回はSAFeの細かい話の中身ではなくチームの話がメインでした。
アジャイルには合う、合わないはどうしたってある。失敗したっていいじゃない、みんなで作り上げていきましょう、という環境、雰囲気を作っていくことが重要とのことです。
後半はCovid-19下での働き方、そしてこれからの働き方の話。逆参勤交代が流行るかも?!
いつか由紀さんに札幌に来てもらって話してもらうんだ!!
まとめ
ミグズさん、牛尾さん、由紀さんから共通して感じたのは"チーム"で働くということです。
お互いに助け合う、みんなでやりましょうというスタイルがとても素敵だなぁと感じました。
たぶんこれは綺麗ごとではなく、その方がいいものができたり、効率が良いからだと思います。
川口さんから北米に一番近いということで紹介されたのですが、自分の中でのチームや働き方を考えるキッカケになりました。 3人とも基調講演をお願いしてもいいくらいのレベルなのでもっと聞きたい欲がムクムクしたのを覚えています。
ちなみに札幌からミネアポリスへの距離は、8,835kmでした(Google Map調べ)。
北海道1周が約2,800kmなので北海道3周分ですね。遠い。
スクラムフェス大阪参加報告①
今日は一日ソワソワ。
日本最大のスクラムのオンラインのイベント。(初めてだからww)
基調講演はアトラクタの”永瀬美穂”さん。
斬新なプレゼンスタイル
まず永瀬さんのプレゼンスタイルが斬新!いままで見たことない。
プレゼン資料を共有するのではなく背景に文字や画像を入れながらプレゼンをしてました。
文字は少なくシンプルで、ほとんどシャベリでカバー。
しかもその背景が黄色ベース、上だけ白色、そうビールの色です。こういう伏線大好きです。
最後のスライドではしっかり泡が溢れてましたよwww
背景をどうやって変えていたか参加者から質問があって、種明かしをしてもらいました。
なんと手動で変えていたとのこと。すごい!!
永瀬さんのプレゼン資料は下記から見ることができます。 miholovesq.hatenablog.com
グッと来たところ
いつものようにグッときたところをまとめておきます。
「うっ」は成長のチャンス。飛び込みなさい。 #scrumosaka
— ネモトノリユキ@ソフトウェアテスト技法練習帳 発売中!! (@nemorine) 2020年6月26日
いい方向か悪い方向か分からないけど、刺激になる何かをぶっこんでみる。 #scrumosaka
— ネモトノリユキ@ソフトウェアテスト技法練習帳 発売中!! (@nemorine) 2020年6月26日
自分の特性と逆の人とバディを組んで立ち向かう。 #scrumosaka
— ネモトノリユキ@ソフトウェアテスト技法練習帳 発売中!! (@nemorine) 2020年6月26日
実験した!
— ネモトノリユキ@ソフトウェアテスト技法練習帳 発売中!! (@nemorine) 2020年6月26日
大暴れした!
革命した!が欲しい#scrumosaka
感想
永瀬さんは実験をする、挑戦をするということを自身の経験を踏まえて伝えてくれました。しかも永瀬さん自身も新しいプレゼンスタイルに挑戦しながら。
一歩踏み出すことをためらっている人に聞いてほしい熱いセッションでした。
自分も最近「うっ」と思うことが多いけど成長のチャンスだと前向きにとらえて挑戦していきたいと思います。
明日の札幌セッションも挑戦のひとつ。頑張りますよー
小学生向けのmiroワーク①
最近、miroが好きで色々触っているんですが、毎回発見があって本当に楽しいですね。
友人の小学校の先生と一緒に社会(歴史)勉強用のmiroワークを作って、まさに今導入してる最中なので簡単に報告します。
ルール:
- 歴史なので"できごと"と"人物"をメインに配置する
- 関連あることを線でつないでいく
- 覚えやすいように画像などを入れる
- 追加の情報は吹き出しでコメントで入れていく
第一回目とのことですが、子供たちもかなり楽しくできたようです。
しかも子供たち自身がルールを作ってどんどん進めていったみたいです。
いやー すごい!!子供の可能性は無限大ですね。
JaSST online Anemone参加報告
今日はJaSST東北で作成した"かんばんリスト"の仕様書を使ってのテスト分析ライブ+OSTでした。
まとめは以下になります。
https://togetter.com/li/1545941
テスト分析ライブ
はるすぷさんとパインさんと猫課長(にしさん)のライブが圧倒的で、技術よりのテストエンジニア、ユーザー指向のテストエンジニア、ファシリテートするマネージャーと3人の絶妙な立ち位置があり、興味深く見せてもらいました。
グッと来たことをメモしておきます。
- 台本のないライブ感がとにかく最高!!
- ソフトウェアの価値に注目して始めたところ
- はるすぷさんが画面のキャプチャーからコードを想像していたところ
- 二人の視点が違いながらもリスペクトがあったところ
- 4スプリントを回して検査と適応を繰り返していたところ
- ぱいんさんが止めるところはしっかり止めて時間を意識していたところ
- テスト分析時にはテストレベルを意識しすぎない(思考の蓋を外す) by にしさん
今回のライブの二人は短時間で十分すごい成果だと思ったのですが、さらによくするためには…ということでゆもとさんと話してみました。
自分が使ってるところをイメージしてみて、「ああ、こう使うんだ」って腹落ちしてからテストを考え出すのがいいと思う。
— Tsuyoshi Yumoto (@yumotsuyo) June 20, 2020
OST
1限目:VSTePよくわかってないから理解したい
02さんのターン。
少しだけVSTePについての説明となんでVSTePっぽいかの自分なりの理由を説明させてもらいました。
今回のライブでは、はるすぷさんとパインさんが対話をしながらマインドマップを作り上げていたところがVSTePのアプローチに近いなと感じました。にしさんからは普通やるよねといわれたけど、そこまでやっている現場は少ないと思います。
2限目:どうやったらファシリテートを上手にできますか?
いそべさんのターン。
声の大きい人あるあるとか、みんながだんまりのときはどうしたらいいんだろうという話をしました。同じようなところで悩みますよね。。。
3限目:仕様書書いた人だけど何か聞きたいことある?
nemorineのターン。
最初は一人もいなかったのですが、はるぷすさんとパインさんとゆもとさんで話始めました。ゆもとさんはいいとこも気になるとこも含めてフィードバックしてて、さすが!!と思いました。
=かんばんリストについて=
もともとかんばんリストは友人のvolpe28vさんが作成していたユーザーがいる本物のWebサービスです。
そういう意味でもテスト対象としてはリアルだったと思います。
また2013年にJaSST東北立ち上げ時にこのサイトをForkして作っていて、今は探索的テストの勉強会などで利用しています。
実行委員のみなさん、参加者の皆さん
楽しかったです!!どうもありがとうございました。