文明はなぜ崩壊するのか読了
この本では文明が崩壊するときの特徴を考察している。
実際は会社などにも当てはまるのではないかと思った。
例が多いのでそれを見るだけでも面白い。
文化が成熟していくほど、色々なものが複雑になっていき脳の処理が追いつかない。
それを乗り越えるにはひらめきが必要であることが述べられている。
複雑になったときはミームという見えないものが行動を支配すると書いてある。
必要なのは文明崩壊の予兆にあたる5つのスーパーミームを意識することらしい。
※ミーム:人々の間に広く受け入れらている情報、思考、感情、行動のこと。
1.反対と言う名の思考停止
反対だけはするけど、実際にどうしたらいいかは考えない人。
これは社会でも会社でも沢山いるね。
反対意見は言いやすいし、合理的な解決のときでも反対するときもある。
消費税の問題もそうだし、原発の問題もそうかも。
2.個人への責任転嫁
問題が起こったときに、誰かひとりのせいにしてしまう。
これも会社でもいるし、スーパーで子供に怒鳴っているお母さんでもそうだよね。
最初から見てればいいじゃんって。子供だけのせいじゃないよって。
この本だと肥満についても個人の問題じゃなくて、システムの問題だって書いてある。
デブとしては、気になるところ(笑
3.関係のこじつけ
因果関係がはっきりしていないものを、さも因果関係があるように扱ってしまう。
携帯と睡眠障害の関連とか、実際は関連がない、もしくは原因は別にあるのにそう思いこんでしまうということが書かれていた。
地球温暖化も本当に二酸化炭素が原因で温暖化がおきたのだろうか?
温暖化が原因で二酸化炭素が増えたんじゃないだろうか?
4.サイロ思考
思考や行動を細分化することで情報の共有や協力をできなくなってしまうこと。
これは家庭でも、会社でもたくさんあるね。
役所にいって、あっち行ってください、こっち行って下さい。
電話変わったらまた一から説明しなおしとか。例を挙げればキリがないわ。
5.行き過ぎた経済偏重
お金が一番と言う思想。
ここで面白かったのはチンパンジーにトークン(お金代わり)を持たせて、
買い物ができるようにした場合に何が起こるかという実験。
結論的には強盗、売春、闇市場みたいなものまで生まれたらしい。
人間の問題はここなのかとなんか凄いショックを受けた。
野生動物と違って、力が強い、羽が綺麗、鳴き声が美しいという基準ではなく、
人間の強い基準はやはりお金なんじゃないだろうかと考えてしまった。
経済偏重になると効率優先の世の中になる。その一例が出会い系サイト。
著者は出会い系サイトっていうのはショッピングと一緒だと言っている。
これは面白い考え方だなと感心してしまった。
最終的にはこれらを乗り越えるためには、ひらめきが必要であるということ。
訓練をしたり、ひらめきが起きやすい環境を作るというのも一つの方法であるとのこと。欧陽脩が言っていた三上(鞍上、枕上、厠上)が現代でも重要なんだろうな・・・