UFOキャッチャー理論

 

今日は気になるランキング1位に輝いた「UFOキャッチャー理論」を説明しようと思います。
これは最適な投資判断をするために必要な理論になります。
(理論というほどエラそうなモノでもないですが・・・)

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皆さん、UFOキャッチャーは知ってますよね?あのぬいぐるみを取るアレです。

では早速質問。
UFOキャッチャーで1000円使いましたが、まだぬいぐるみは取れていません。
あなたは続けますか??それとも止めますか?


いろいろ意見があると思いますが、
情報が足りないのでジャッジできないという人が大半だと思います。
何が足りないのでしょうか?
そうです!!足りない情報はぬいぐるみの位置です。
 ①元の位置からぴくりとも動いていない。
 ②半分くらいまで来ている。
 ③もう落とし口のそばに来ている。

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使った金額と位置から、あとどれくらい使えば取れるのかが分かります。
①だと望みなし、②だとあと1000円くらい、③だとあと200円ってとこでしょうか。

そしてもう一つ大事なことは『使った1000円は返ってこない』ということです。
ここで多いのは1000円使ったから、取るまでやるんだと感情的になってしまうことです。
これがポイントです。
1000円はすでにぬいぐるみの位置(=今の資産価値)というものに変換されているのですが、
継続可否の判断はどうしてもこの投資金額に引っ張られることが多いです。

 

本当に必要なのは
 ・今ある資産価値    :いままでの投資により動いたぬぐるみの位置
 ・今から必要な投資額:あとどれくらいの投資でぬいぐるみがとれるのか
 ・モノの価値        :ぬいぐるみは自分にとってどれくらいの価値があるか

具体的に数字で説明しましょう。
<パターン1>
 ・今ある資産価値    :1/2の位置(1000円使って半分まで来ている)
 ・今から必要な投資額:1000円
 ・モノの価値        :2000円
今、止めると1000円の損。取るまでやるとイーブン。
これだと続けてもいいかなと思います。

<パターン2>
 ・今ある資産価値    :1/4の位置(1000円使って1/4動いた)
 ・今から必要な投資額:3000円
 ・モノの価値        :2000円
この場合は今止めると1000円の損。取るまでやると2000円の損。
これはやらない方がいいんですが、熱くなっているとやってしまいますよね?
4000円も使って、取れたのは不細工なぬいぐるみということもあるでしょう。

 

当たり前でしょとバカにしてはいけません。
当事者で渦中にいると意外とできないものです。

こんな言葉を聞いたことありませんか?
 『このプロジェクトは3000万円つぎこんでいるので絶対にモノにしないと!』

何度も言いますが、3000万円は絶対に返ってきません!!!
それは今の資産価値、例えばドキュメントやソースコードやエンジニアの知識などに変換されてしまっています。
今の資産価値をきちんと見つめて、プロジェクト継続/停止の判断しないといけません。
また感情的にならないためには最初の段階でモノの価値、投資額、そしてどこまでの損失は許されるかを決めておかなければなりません。

 

ということで、会社で何か違うかもと感じたときは、一旦頭を冷やして、
UFOキャッチャー理論を思い出してみてください。
もちろん、奥さんがUFOキャッチャーで熱くなったときにも使えます。


ちなみに一般的にはそれまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態は
コンコルド効果サンク・コスト効果として説明されています。

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コンコルド効果は、心理現象の一つ。
超音速旅客機コンコルドの商業的失敗を由来とする。
コンコルドの誤り、コンコルドの誤謬、コンコルド錯誤ともいう。

ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態を指す。埋没費用の別名。
世界的には"Concorde fallacy"の名称で研究がなされているが、
日本では"fallacy"の訳語が一定しないため"Concorde effect"の訳語が用いられることが多い。
                                                                           Wikipediaより
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