Fearless Change の導入事例
アジャイル札幌のイベントでFearlessChangeの訳者の一人であるヤフーの山口鉄平さんにFearless Changeのお話+ワークをしてもらいました。 アジャイル、そして自動テストをヤフーではどういう風に導入していくかという生々しい事例を聞ける良い機会になりました。
Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン
- 作者: Mary Lynn Manns,Linda Rising,川口恭伸,木村卓央,高江洲睦,高橋一貴,中込大祐,安井力,山口鉄平,角征典
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2014/01/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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山口さんは普及/改善の担当者ですが、やらせる権限はないとのことです。すなわちチーム自身がやる気にならないと改善が進まないとのことです。 山口さんが新しい技術を取り入れるときの問題点は、以下の分け方をしているようです。
- 技術そのものが知られてない
- 技術導入の必要性や効果が知られていない
- 普及の活動計画が求められるものの立てられない
- 技術に懐疑的で抵抗がある
それぞれについて、山口さんが意識しているパターンを例示してもらいました。 毎日色々な人と話したり、困ってたら助けたり、上の人とネゴを取ったりと地道な活動をコツコツとやってるという印象でした。
ワークはグループ毎に自分達の問題点出しとその問題点に対するパターンの提示を実施しました。 More Fearless Changeも含めた63パターンを見ながらワイワイやるのはよい練習になると思います。 これはパターンワークショップと呼ばれているものです。
自分がグッと来たパターンは以下の3つです。
- [22:種を撒く]
- [34:ちょうど十分]
- [48:将軍の耳元でささやく]
今回のイベントで心に残っているフレーズは・・・
- ぶっちゃけると普及の計画は立てにくいw
- 導入時は成功させることが絶対条件なので、確度が高いチームで実施する。[16:イノベーター]
- 改善の前後のデータを確認して、成長を数値としても実感してもらう。
- 普及活動は勝てば官軍なので、ホームランではなくヒットを狙う。[2:小さな成功]
- 偉い人からもジャッジができるように導入の意義をデザインする。[28:経営層の支持者]
- 社外の人の話を聞いて、やってみよう!って思う人もいる。[27:著名人を招く]
- あまり説明しすぎない。[34:ちょうど十分]
- なかなか普及しないラガードの人は必ずいる。
- 一気に普及するタイミング(キャズムを超えるタイミング)があった。そのときはカンバンがドッと増えた。
- 実際にはパターンをナチュラルに使えるようになる必要がある。
パターンの知識と実践力+コミュニケーション能力が求められると感じました。 少しずつでも使っていけたらと思います。
※ カード形式(英語版)のパターンはLinda Risingさんのページに載っています。 http://web.lindarising.info/Fearless_Change.html
※ 川口さんはA4*2枚にまとめてくれています。 http://kawaguti.hateblo.jp/entry/20140228/1393522489
※ Fearless Journeyというゲーム形式でパターンを覚える方法もあるようです。 https://www.slideshare.net/kdmsnr/fearless-journey
# 17.3.2 Fearless Journeyについて勘違いしてたので修正しました。