ヒエラルキー組織における情報伝達パターン
現場では「無理」だという認識なのに、TOPは「上手くいっている」と認識しているという経験はありませんか?
自分の観察によると、この現象は以下の条件が揃うと発生しやすいようです。
- 階層構造が深めのヒエラルキー組織である
- 悪い報告をよしとしない文化を持つ
どうやって現場の無理という声がTOPまで伝わっていくかのイメージ図です。
【NO:無理です】 現場(図では一番下になっています) 【NO?:難しい可能性があります。】 【Yes?:大丈夫ですが、リスクあります】 【Yes:上手くいってます。大きな問題ありません。】
一番考えないといけないことは「報告は正しくない可能性がある」ということです。 人が報告をすると必ず伝言ゲームの要素が入ります。また悪い報告をして怒られたくないという感情や昇進のために悪い報告を隠して何とかリカバーしようとして報告を作為的に変更することも考えられます。
この状態になるとTOPが間違った情報を元に経営判断をする可能性があります。不幸なことですよね。
この解決策としては、TOPが現場を直に見に行ったり、現場の声をTOPに直接届けることができるような仕組みが必要です。このような活動を通して報告書だけでは得られない正しい現場の姿を認識することができます。 現場としては、オープンなデータを用意することで、TOPを含む誰もがいつでもアクセスできる環境を提供するのが良いと思います。
また組織としては、『悪い報告を歓迎する雰囲気』を作らないといけません。 悪い報告をすると上司の機嫌が悪くなる、上司からの叱責を回避したいという状態であれば、やはり悪い報告は後回しになってしまいます。 ここは文化なので組織に所属する人みんなで作っていきたいところですね。