Scrum Master THE BOOK 読了

先日献本いただいたScrum Master THE BOOK(スクラムマスター ザ・ブック)の発売日に合わせて、感想文を書きました!

スクラムマスターとチーム

この本はスクラムマスターとチームに焦点を当てて書かれています。特にスクラムマスターに必要なマインドセットとソフトスキルがきっちり書かれているのが印象的です。スクラムガイドだけでは分からない現場のリアルな悩みと方針が書かれていますので、自分自身だけではなく、チームの指針にもなりそうです。グレートなスクラムマスターになるまでは、困ったときはすぐに手にとれるようにしておきます。

客観的なチェック

要所にあるExerciseというワークを実施することで、自分がスクラムマスターとして良いふるまいをできているか、チームがどのような状態にいるかが客観的に分かります。 自分達のチームが「個人の集まり」なのか「本当のチーム」か(Exerciseの一つとしてあります)を勇気をもって見てみましょう。 本に書き込みをすることに抵抗がある人いるかもしれないですが、ワークを定期的に実施し、書き込んでいくことで自分やチームの本として育てていけそうです。

読みやすさ

現場の一線で活躍するスクラムマスターたちがモブで翻訳しただけあってかなり読みやすいです。技術書に「なる早」って単語はなかなか見ないと思いますが、それくらい馴染み深く、そしてシンプルな言葉で書かれています。日本語として引っかかるところがなくて、綺麗な訳だなぁと見とれてしまいました。

グッときたところ

個人的にグッと来たところを数点書いておきます。 もちろん他にも良いところはたくさんありますし、その人のステージによって刺さるところも違うと思いますので本書を読んでほしいです。

スクラムマスターは、チームの秘書ではなく、チームが自分で障害物を取り除くのを助けます。

本にも書かれているとおり、スクラムマスター自身が障害を取り除くのは短期的な視点であり、長期的にはチームのためにはならないですよね。 自分達自身で障害を取り除いていく方法を、みんなで学んでいかないといけないですね。

チームや組織の一歩だけ先を行き、、チームを習慣、規範、癖から引きはがします。 あまり先に行きすぎるとチームはスクラムマスターの言うことをほとんど理解できなくなります。

これは自分の経験でもそういうことがありました。人には段階(状態)があって、その状態にないと次の段階にいけないことが多い気がしています。
山のガイドみたいに、少し先を歩くことで後ろの人達がルートに迷わないように、また分かれ道で判断の間違いをしないようにするのがスクラムマスターの役割であるというイメージを持ちました。

スクラムマスターの心理状態モデルにあるアプローチはいずれも重要です。 しかし、とても大事なピースがまだ一つ欠けています。それは観察です。

自分にとっても観察はとても重要なスキルの一つです。意識しないとどうしても現場を見ずに理想だけを語りがちになっちゃいますよね。それはもしかしたら先に行き過ぎている可能性が高いのではないでしょうか。一歩だけ先を行くためには、その人がいまどの状態にいるのか観察をする必要があると思います。

チームの4つの毒 ・非難する ・守りの姿勢 ・壁を作る ・侮辱する

以前所属してたチームが自分にとっては最悪のチームだったため、チームの話には敏感になっているから刺さった可能性が高いです。ただ、内容を読んでいくと、自分もそういうことをしている可能性があるなと気づきました。チームの雰囲気が悪くて悩んでいる人は是非読んでほしいパートです。

この本は自分でも使っていきたいですし、今アドバイスしているチームのスクラムマスターにもお勧めしようと思いました。 原著者のZuziさんと翻訳者の方々に感謝いたします。どうもありがとうございました!