JaSST Online のゲスト出演 第1部
今回JaSST Onlineにゲストとして招かれました。探索的テストの動画を撮って、それをみんなで見てワイワイするという形式でイベントが開かれました。最初話を受けたときはできるかどうか分からない状態でしたが、面白そう!やってみたい!と思って引き受けました。結果として新しい試みに挑戦できたので満足しています。ただ次回やるならこうしたいところもあるので、ふりかえりがてら書いていきたいと思います。ちゅくちゅん。
探索的テストのスタイルの話
探索的テストもフリーな探索、チャーターを決めた探索、時間とミッションを決めたセッションベースドと色々あります。今回はフリーな探索を選んだのですが、これには二つの理由があります。
一つ目は現実のアプリと対話する感じを伝えたかったためです。 チャーターに沿うもの、または仕様書をチャーターとして探索的テストを実施する場合は通常の仕様書のテストと変わらないかもしれないなーという気がしていました。ほぼフリーで触る場合は常にシステムと対話するのでここが伝えれるといいなと思いました。
もう一つは学習している感じを伝えたかったためです。下記はExplore It!!の著者のErisabeth Hendricksonの定義ですが、仕様書を最初に読み込まないことで自分が探索しながら学習していく過程を見せれるかなと思いました。
探索的テスト by Erisabeth Hendrickson
直近の実験から得た”気づき”を次の実験へ活用し、テスト設計と実行を同時に行い、システムについて学習していくこと
Simultaneously designing and executing tests to learn about the system, usingyour insights from the last experiment to inform the next.
最初のイメージはこんな感じです。①の箇所で広く学習するところを見てもらって、そのあと特定の部分②~⑤のどこかに関して深く掘り下げるのがいいかと考えていました。
録画したときの話
自分は朝型なので、頭がスッキリしている朝に収録をしました。 進め方としては、まずはアプリの動きをイメージできるようにしたくて、最初はハッピーパスを通しつつアプリの動きを把握していくことにしました。 当初は30分くらい広めにやって、残り30分は深めにやる感じをイメージしていました。
結果からいうと、アプリの範囲が広くて、広さ優先の探索で終わってしまったという感じになりました。miwaさんの言葉を借りると「アプリケーション全体を草原を走るようにさらっとテストする」感じでした。この印象が強くなってしまったのは少し反省してます。Twitterライクな形なので参加者の共通認識もあるし、もう少し絞っても良かったかと思いました。深さ優先の探索は別機会にリベンジをしたいと思います(笑
また編集なしに拘ったため、テストデータの作成に手がかかるもの(かかりそうなもの)は上手くできませんでした。例えば、プロフィールの画像を設定するところなどは、本来であれば以下のようなバリエーションをパッと思いついて、バグが罠にかかるまでテストを実施していきますが、実際にテストしたのは手元にあったjpegとpngくらいでした。他にも著作権とか色々ありまして…
画像の種類:jpeg, gif, png, txt, 拡張子なし
画像サイズ:小さい、大きい、細長い
画像の特徴:アニメーション、透過
場所:PCから、スマホから
当日の話
皆さん温かく、しかし厳しく見てもらってめちゃくちゃ嬉しかったです。 ただ最初は状況が上手く共有できてなかった気がしたので、このアプリはどういうアプリで、会社的にはどういう状況で、nemorine自身はこういう風なアプローチで実施しますという設定を最初に共有しておけば良かったですね。しかしそこは質問のやり取りで探索的にクリアになっていった気がします。
参加者の皆さんをはじめ、質問者オプションで質問していただいたmiwaさん、かみむらさん、よっしーには感謝しています。どちらかというと質問者の皆さんは思考の状態に興味があって、感情、思考のあたりを聞かれた気がします。さすがだなと思いました。
miwaさんの質問で心に残っているのは、「削除」ボタンのまあいっか発言を的確に突っ込まれたところですね。めちゃくちゃクリアな声で「なぁにぃ~」と言われたのは一生の宝物です。血圧が200くらいまで上昇した気がします。またいつもは探索的テストの講習などでは「違和感」を大事にしてくださいと言っているのですが、スッと流している自分にカツを入れたいですね。 もう一つは、「送信」ボタンと「Tweet」ボタンの誤操作をして、「自分が動作を間違えたところは重要だよ」というところです。これも本当にその通りだと思います。業務中は誤解を生みそうな仕様は開発側に伝えることにしています。
かみむらさんの質問で心に残っているのは、「ビジネス視点を持っているか」です。うちの会社の特性上、社内では他社と比較が難しくビジネス視点というのが難しいと回答しました。が、お金のニオイが好きなので、一般のアプリを触るときはこの視点が強いと思います。最近だとオンラインホワイトボードのmiroを触りまくって探索っぽいことをしていたときは、これはすごい!!!と思った記憶があります。今はmiroの課金ユーザーです。
よっしーの質問で心に残っているのは、「仕様書が怪しいですね」という言葉に対する質問でした。単純なところのミスだったので仕様書を見て実装していないか、もしくは開発者のテストが終わってないかも、みたいな感情が生まれた瞬間ですね。このアプリに対する注意度が上がりました。
今回は自分としても探索的テストを深く考えるきっかけになりました。色々考えたことについてエントリを増やしていきたいと考えています。
実行委員の皆さん、参加者の皆さんどうもありがとうございました。
第2部に関してはまた別エントリで書こうと思います。ちゅくちゅん。